充実のアメリカ研修旅行-会員報告レポート

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 一般社団法人東京馬主協会では、去る7月31日~8月5日まで(4泊6日間)アメリカ・カリフォルニア州のデルマー競馬場へ研修旅行を実施致しました。米国本土への研修旅行は15年ぶりのことで、会員とそのご家族を含め、総勢52名の参加を頂きました。
 8月1日のデルマー競馬場視察では早朝の調教視察からバックヤードツアーなど細かいところまで見学、ナイター競馬も堪能して有意義な研修となりました。そればかりかこの日の4Rは「TOKYO HORSE OWNERS ASSOCIATION」と当協会の冠名レースが実施、嬉しいサプライズに参加者一同、一層の盛り上がりを見せました。


toa_usa2015_m.jpg 東京馬主協会会長 森 保彦
 久しぶりの海外研修旅行でした。
 西山研修委員長以下、会員と同伴者47名、スタッフ5名の総勢52名が参加して、デルマー競馬場での迫力あるレース観戦とラスベガスへの旅を満喫することが出来ました。

 デルマー競馬場のあるサンディエゴは有名なリゾート地で、気候も良く、とても美しいところです。
 私は、今までデルマー競馬場に3回程行ったことがあり、今回で4回目でした。
 騎手の福永さんがアメリカ遠征をしたのも、このデルマー競馬場でした。その時に私は、パドックで福永騎手と会って、「なかなか騎乗する機会がないこと」、「サンディエゴでは自炊していること」などの苦労話を聞いたことがありました。日本でリーディングジョッキーを競う福永騎手でも、アメリカに来るとそんなに大変なのかとびっくりした記憶があります。

 今回のデルマー競馬場へは長旅の翌日であったにもかかわらず、朝の5時に起床してデルマー競馬場の施設のほか、パドックから馬場に出る馬道、調教風景を見学出来て、会員の皆様からはとても好評でした。
 そして、JRAの職員の方2名が、わざわざ6時間もかけてニューヨークから、私達東京馬主協会の研修旅行の為にこのデルマー競馬場に来てくれましたことには、心から感謝申し上げたい思いです。

 また、デルマー競馬場では東京馬主協会の冠レースまで企画されておりました。今や日本の競馬、従ってまた、日本における馬主の地位も高く評価されていることが感じられ、誇りに思いました。
 東京馬主協会の定款には、中央競馬の発展に寄与することのほか、会員相互の親睦を図ることが目的の一つとして掲げられております。

 サンディエゴから空路約1時間でラスベガスに移動し、そこではゲームをしたり、買い物をしたり、ショーを観たりして、会員の皆様とのふれあい、想い出に残る素敵なひと時を過ごすことが出来ました。
 楽しそうに歓談している会員の皆様を見ていて、このような素晴らしい仲間達のいる東京馬主協会に入会して、本当に良かったなとつくづく感じました。
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ご協力いただいた古谷所長とカリフォルニア州競馬委員会の裁決委員Scott Chaney

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天を見上げる優勝したゴンザレス騎手

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森会長とガッチリ握手を交わすゴンザレス騎手
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サプライズで行われた東京馬主協会賞。勝ち馬はLITTLE EMMA
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口取りに参列した森会長と西山副会長。旅行参加者も、大いに盛り上がった
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15年ぶりのアメリカ研修

toa_usa2015_n.jpg 研修委員長 西山 茂行
 昨年、新装なった札幌競馬場での研修旅行を終えての研修委員会。
 「今年は国内だから来年は海外ですね。」
 「ヨーロッパやシンガポールもやったし、久しぶりにアメリカにしようか。」
 筆者が東京馬主協会の理事になった平成12年。その夏の研修旅行はアメリカのデルマー競馬場からアーリントン競馬場。それ以来15年ぶりのアメリカとなる。
 研修委員5名、誰の反対もなく決まった。今年に入り月1回のペースで会議が行われた。

 アメリカはデルマー競馬場。終わってからラスベガスへ。ショーを見て、あとは自由行動を1日。ここまでは何の問題もなく、食事会のレストランなどは希望と予算を言って旅行代理店キッズワールドに任せた。

 しかし、帰路の行程で大きい問題が発生した。帰りの飛行機、ラスベガスからロサンゼルス空港へのアメリカ国内線が60席とれない。2便に分けると時間差と空港での団体チェックインに問題が生ずる。旅行代理店の提案はラスベガスからLA空港まで5時間のバス移動。
 「う~ん。」
 研修委員の誰も賛成しないし、反対もない。結局、旅行代理店の「60人バラバラが困る」という意向を尊重し、バス移動に決めた。

 結果を先に書くと、これがすごくよかった。体の大きいアメリカ人サイズのシートでネバダ砂漠や宮沢りえ写真集の舞台となったサンタフェを見ながらのドライブは思いの外快適で不満は出なかった。ほっとしました。

 7/31(金)。成田空港のいつもの個室で集合。全員定刻に集ってくれて、予定通り出発。快晴のサンディエゴに到着。海の見えるレストランで昼食。ハンバーガーの大きさにアメリカを感じた。

 翌日、競馬は第1レース14時で開門は12時。
 しかし、今回は競馬を楽しみに来たわけではない。あくまで研修旅行。JRA国際部に交渉し、朝7時からの調教とバックヤードを見せてもらえることになった。
 「希望者だけでなく、全員参加!」
 研修旅行と名のつく限り、ここはゆずれない。参加者も理解してくれて全員で朝の調教見学。
 驚いたことがたくさんあった。

 まず馬場の内側を左回り、外側を右回りの両方通行。日本では考えられない。よく事故が起こらないか不思議だ。
 そしてどう見ても80キロはある大男や、タンクトップの女性が馬に乗っている。おおらかなアメリカを感じた。
 スタンドには記者が1人いた。1人で大丈夫かと心配だったが、同行してくれたJRA駐在員によると調教ゼッケンにバーコードがあり、それで時計は公開されるとのこと。
 なるほど・・・。
 そこには坂路も、ウッドも、プールも、森林馬道もない。ダートコースの本馬場での調教のみ。日本のトレセンが進歩していると考えるのか、それとも恵まれているだけか?

 デルマー競馬場の馬主席、来賓席。いろいろ見ましたが、東京競馬場の方がすべて上です。パドックとの動線、レストランもしかり。唯一すばらしいと思ったのは売店。デルマーオリジナルのシャツや帽子など、日本のターフィーショップももう少し商品を研究する余地を感じました。

 馬券は当たりませんでしたが、これも「馬券を売る」という姿勢はすべて日本の方が優秀です。馬券自動販売機がほとんどの日本のそのスピードに慣れていると、対人窓口でののんびりした雰囲気にとてもなじめず・・・。
 競馬場従業員は温性ある接客でした。アメリカ人はフランクですね。

 ラスベガスへ移動してからは研修ではなく「親睦」です。研修旅行の目的の中に「馬主同士の懇親」とあり、これも重要です。
 あっという間でしたが、ショーを見たりと楽しめました。

 4泊6日のアメリカ旅行。筆者も心に残る研修旅行になりました。
 それにしてもよくやってくれたのがキッズワールドの大角浩隆さんと加藤佳那さん。ありがとうございました。
 そして皆様おつかれさまでした。
感謝
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成田から約10時間後、サンディエゴに到着

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市内のレストランで昼食

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朝7時からデルマー競馬場で調教見学

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熱心に競馬場を視察する参加者

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デルマー競馬場の調教風景

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午後2時、第1レースがスタート

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ホテル内レストランでのサヨナラパーティー

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ラスベガスで親睦を深める参加者

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食事を楽しむ参加者

参加会員の声

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四本 昭弘 氏(平成23年入会)

 伝説の競走馬シービスケットが走ったデルマー競馬場の施設・調教見学を早朝から体験させていただき感激いたしました。その後の競馬観戦や馬券購入なども、通常の個人旅行では経験することの出来ない体験で、とても有意義な旅行となりました。

 デルマー競馬場は大変美しい競馬場で、日本と比較すると、リゾート地の為か、女性客が多く感じられました。馬券購入に没頭するお客様よりも、食事をしながら仲間で競馬を楽しんでいた方が多く見受けられました。私は全種類の馬券を購入しましたが、特に日本にはない"5連単"を楽しみました(レースは少頭数の為、全頭ボックス買いが可能です)。

 私にとってはフランス・イギリスの研修以来2度目の参加でしたが、今回も色々な馬主の先輩方のアドバイスを聞くことができて大変勉強になりました。

高橋 照比古 氏(平成26年入会)

 アメリカ競馬伝説の「シービスケット」の映画は何度となく、泣きながら見ました。
 その地に、今回総勢52名にて行って参りました。朝の調教風景、パドック内の視察、観客内、そして我々の競馬観戦など、研修委員さんの計らいで、何不自由なく馬券を買うことができました。
 私は日本以外の競馬場へ行ったことがなく、全てが新しく感じられました。飛行機が遅れていた事もあり、7Rまで皆様と楽しく観戦できました。やはり、馬主の方々、競馬をすると目が生き生きいたします。ある女性の方は大穴をゲットし、20%の税金の申告をされたと聞きました。楽しい限りです。

 デルマー競馬場を後にし、我が愛するラスベガスの地にやって参りました。ベラッジオの噴水に目を見張り、夜の「OH」のショーに感激し、そして、何よりも楽しかった事は、森会長をはじめとする協会の皆様とブラックジャックのテーブルを御一緒できたことでした。これは一生の楽しき想い出として、胸に刻まれます。

 私は旅行前、左足首を骨折し、参加をやめようと悩みました。しかし、どうしても行きたかったのです。行って良かった。生きることは感動が必要です。これもひとえに、西山委員長をはじめとする研修委員の皆様、事務局の皆様、参加された皆様のおかげと深く感謝申し上げます。
 「ありがとうございました」
 私は命ある限り競馬を愛し、一生過ごしたいと誓っております。

小山田 満 氏(平成20年入会)

 この度は、研修旅行に夫婦で参加させていただき、ありがとうございました。
 サンディエゴ到着後の昼食では、海風に当たりながら、皆様と交流したおかげで、妻もすぐに打ち解けることができました。

 デルマー競馬場では、パドックに入るという貴重な経験をさせていただき、朝の調教見学や午後の競馬観戦を通して、デルマー競馬場の古き良き歴史を感じました。

 旅行後半のラスベガスでは、ショーの鑑賞やカジノも楽しむことができ、暫し日常を忘れ、楽しいひと時となりました。
 最終日のパーティーでは、ベラッジオの噴水ショーを間近に、美味しい料理に舌鼓をうち、素晴らしい旅の締めくくりとなりました。
 末筆ながら、森会長並びに役員の方々、研修委員の方々、事務局、添乗スタッフに御礼申し上げます。