会員研修旅行レポート『ロンシャン・アスコット競馬観戦の旅』

『ロンシャン・アスコット競馬観戦の旅』9月4日[水]~9日[月]

本協会創立65周年を記念して行われた今年のヨーロッパ研修旅行。ロンシャン競馬場(フランス)、アスコット競馬場(イギリス)での競馬観戦という、夢のような旅が実現しました。

【ロンシャン競馬場】9月5日[木]

ロンシャン

【アスコット競馬場】9月7日(土)

アスコット

近代競馬の歴史を知る旅

森 保彦 会長

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 東京馬主協会念願のヨーロッパ研修旅行がようやく実現いたしました。近代競馬の歴史を知るためにも、ぜひ競馬発祥の地であるイギリスのロイヤルアスコット競馬場での競馬と、世界最高峰といわれる伝統ある凱旋門賞の行われるフランスのロンシャン競馬場での競馬観戦を行うことが夢でした。

 我々一行は、まず羽田からパリに行き、そのシンボルであるエッフェル塔を見て、セーヌ川を下り、凱旋門を見学しました。
 そして翌日、夢にまで見たロンシャン競馬場に行き、競馬観戦。ここで古くはエルコンドルパサーが、またあのディープインパクトが、そしてオルフェーヴルが世界の強豪馬と戦ったんだ、今年はそのオルフェーヴルとキズナがこの深い馬場でどんな走りを見せてくれるんだろうかと思うと、胸が熱くなる思いでした。

 もう会員のみなさんがご承知のとおり、オルフェーヴルとキズナは日本競馬の代表としてがんばり、優勝できなかったものの、すばらしいレースをしてくれました。
 日本が国際パート1国となったのが平成19年でしたので、それから6年の後、日本産馬、日本調教馬が世界に注目されるまでに成長したことは、本当にうれしい限りです。
 私達は、その誇るべき日本競馬の馬主であることを思うと、自然に背筋が伸びて、優越感にあふれる気分になったのは私一人ではないと思います。

 ロンシャン競馬場から私達はイギリスのロイヤルアスコット競馬場に向かいました。
 ここイギリスでは王室と競馬のつながりが深く、エリザベス女王も競走馬を所有されており、よく競馬観戦をされるようで、特別の観覧室も設けられておりました。
 瀬谷隆雄研修委員長のご尽力で、我々一行はあのロイヤルアスコット競馬場の特別観覧室にて迫力あるレースを楽しむことができました。
 直線1,400mの競馬などを見て、日本では新潟の直線1,000mがやっとなのに、直線1,400mの競馬が日本で行えるのは夢の,また夢だなと思いました。

 楽しいヨーロッパ研修旅行もあっという間に終わり、みんな元気で無事に帰ってきました。手にいっぱいのお土産を持って帰ってきましたが、一番のお土産はいつまでも記憶のなかに残っている、ロンシャンやロイヤルアスコットでのあのすばらしい競馬風景ではなかったでしょうか。

ヨーロッパ研修旅行の感想

今回参加された会員に旅行の感想をお聞きしました。

田原恭男 会員(平成2年入会)

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■今回の旅行を終えての感想をお聞かせください。
 楽しい研修旅行ありがとうございました。天気にも恵まれ、エッフェル塔の写真の真っ青な空の色が、とくに印象に残っています。ヨーロッパの2大競馬場で観戦することができ大感激。皆様と同じように、いつかはオーナーとして、ここで……という夢を。

■ロンシャン競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?

 話には聞いておりましたが、競馬場のロケーションやコースは、落ち着いた雰囲気やパドックでの馬との距離の近さなどはとてもすばらしいものがありました。レースを賭け事としてよりもスポーツとしてとらえている感じがいたしました。組まれたレースにもよるのでしょうが、観客は少し寂しく感じました。

■アスコット競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?
 伝統あるコースで、ロイヤルの雰囲気をいたるところで感じました。とくに観客たちのファッションやブックメーカーのやり取りも、さすがに本場という思いがいたしました。勝ち馬の表彰などは、オーナーのステイタスを大切に考えてくれながら、みんなで楽しんでいるのもとてもすてきでした(日本の勝ち馬口取りも大観衆の前で、それはそれとして素晴らしいですが)。

■当協会研修旅行へのご要望があれば?
 お名前を存じ上げない方もいらしたので、ウエルカムランチの席などで、各自の自己紹介的な時間を取っていただけたらと思いました(平成21年の香港マカオ旅行のときのように)。限られた日程ではありましたが、適度な市内観光のコース・時間と、早めのチェックインでの自由時間などで街歩きも楽しめ、ヨーロッパを堪能いたしました。準備などが大変とは思いますが、2~3年に一度くらいは海外を考えていただければ、家族旅行などがしやすいです(日ごろの罪滅ぼしに……)。

見立昭子 会員(平成15年入会)

(組合:アポロサラブレッドクラブ代表)
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■今回の旅行を終えての感想をお聞かせください。
 個人ではなかなか行けないフランス・イギリスの競馬場視察ということで、とても楽しみにしていました。少し強行スケジュールかなと思いましたが、意外にホテルでゆっくり過ごせ、街に出てウインドーショッピングにもチャレンジする時間が取れました。

■ロンシャン競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?
 ブローニュの森の中にある世界で一番美しい競馬場と言われるだけのことはありました。1~7レースまで楽しく過ごしましたが、競馬場内を少し見学することができたらよかったと思います。また、開催日が日曜日でないことに驚きました。

■アスコット競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?
 イギリス王室の所有する高貴な競馬場ということで知られているところで、とても緊張していました。さすが紳士淑女の国の競馬場。郊外にあり、リッチな雰囲気を感じました。競馬場とは別に馬券を売っているブックメーカーという人たちの多さと、そのシステムにとても驚きました。

■当協会研修旅行へのご要望があれば?
 今回の日程は、すべて夕食がフリーだったことが心配でしたが、旅行社の方々がとても親切に予約など助けていただきましたのでよかったです。異国で食事処を探すのもちょっと楽しかったし、よい経験になりましたが、1回くらいは全体での夕食があってもよかったかなと感じました。

大野富生 会員(平成20年入会)

(研修旅行 初参加)
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■今回の旅行を終えての感想をお聞かせください。
 日頃、話をする機会がない馬主の方々とコミュニケーションが取れたことは非常によかったと思っています。

■ロンシャン競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?
 期待が大きすぎたのか、観客が少なく、競馬の醍醐味が感じられない雰囲気で、少しがっかりしました。

■アスコット競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?
 皇族の競馬場らしく、社交場のようでした。ロンシャン競馬場と違い、華やかで競馬の醍醐味を味わいました。ただ、ブックメーカーがとても多く、これでは主催者の利益が少なく思われ、競馬が衰退してしまうのではと感じました。

■当協会研修旅行へのご要望があれば?
 海外旅行に慣れている方が少ないようでしたので、添乗員をもう少し増やしたほうがよかったのではと思いました。

足立範子 会員(平成24年入会)

(研修旅行 初参加)
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■今回の旅行を終えての感想をお聞かせください。
 個人旅行では、なかなか訪問できない場所に観光することができて、本当に楽しかったです。また、馬主の方ともお近づきになることができました。そういう機会があまりなかったので、興味深く歓談ができました。またぜひ参加したいと思っています。

■ロンシャン競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?

 競馬場に対しては、大変期待していたので、アスコット競馬場に比して多少期待外れ感がありました。しかし、観戦したフロアはガラス張りで、競馬場全体を見回すことができ、ゆったり観戦することができ、よかったと思います。

■アスコット競馬場の競馬観戦でどのようなことを感じられましたか?
 広い敷地内には、同じ色の花が咲き乱れ、美しい競馬場でびっくりしました。とても格調高く、さすが競馬発祥の地という感じでした。

■当協会研修旅行へのご要望があれば?
 至れり尽くせりの旅行でした。ただ、もう少し日数があり、自由時間があるとうれしいと思います。

研修旅行を終えて

瀬谷隆雄 研修委員長

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 今回の研修旅行は、ロンシャン・アスコットという、ヨーロッパ2大競馬場ともいえる両競馬場へ行けることもあってか、参加希望される会員さんが大変多く、お申し込みいただいたにもかかわらず募集人員などの関係でご参加いただけない会員さんもいらっしゃいました。参加できなかった皆様におかれましては申し訳ありませんでした。

 ロンシャン競馬場では鶴岡様(JRA)・澤田様には観戦のお手伝いを、また現地で開業されている小林調教師と藤岡騎手には飛び入りゲストとしてご参加いただき、楽しい競馬観戦となりました。

 アスコット競馬場では、現地で厩務員として働いている飯山剛至様に色々お手伝いいただき、所属のハガス調教師のご尽力で、パドック内にも入れていただきました。
 ともに参加された皆様の良い思い出になったことと信じております。

 この度アンケートに回答いただきました皆様のご意見は、次回の研修旅行に生かしていただくよう、必ず次期研修委員長に引き継がせていただきます。
 最後に、いろいろ無理を聞いてくださった日本航空様、また、準備を重ねてくれた事務局のみなさん、本当にありがとうございました。
 今回、アスコット競馬場で競馬観戦のお手伝いをいただいたのが、イギリス・ニューマーケットのウィリアム・ハガス厩舎でアシスタントトレーナーとして勤められている飯山剛至さんです(サンケイスポーツに『ニューマーケット発 英国競馬便り』を掲載中。毎週水曜日)。飯山さんに、観戦をお手伝いいただいた感想や、イギリスにおける今後のご自身の活動についてうかがいました。

ウィリアム・ハガス厩舎 ワークライダー(日本で言う調教厩務員) 飯山剛至 氏

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■今回お手伝いいただいての感想
 日本の馬主の方々をアスコット競馬場を案内させていただいて一番印象に残っているのは、皆様、アスコット競馬場のホスピタリティに感心されていたということです。  日本と英国の競馬場側の馬主に対する接し方、プレミア感の演出(プレミアムエンクロージャー、ボックス席からの眺めなど)の違いを分かっていただけたのではないかと思っております。
 ただ一つ残念だったのは、皆様との時間があまりにも短く、ゆっくりと皆様全員とお話できなかったのが心残りでした。

■イギリスでご自身の今後の展望
 今後、日本人馬主もしくはこれから馬を持とう・興味があるという方に対して英国競馬をアピールし、英国に馬を置いて頂きたいと考えております。私の英国内での人脈を生かし、そのお世話やお手伝い(レーシングマネージャー的立場)ができたらと考えております。また、ゆくゆくはニューマーケットで調教師を目指しております。

■日本の馬主へ向けて一言

 近代競馬発祥の地・英国。英国では馬を所有することが成功者の証、かつ、最高のステイタスです。また、馬主が競馬場の主役であって、世界最高峰のおもてなしで馬主の皆様をお迎えしております。確かに賞金は日本に比べて安いですが、それを補い、日本にはない魅力が英国競馬にたくさんあります。ぜひ一度、英国へお越しください。ご案内させていただきます。